
書道で用いる紙は、分類が難しいほどに多彩です。
原料による分類名があり、製法による分類名があり、寸法による分類名があり、産地による分類名があり、用途による分類名があり、伝統的習慣による分類名があります。
原料による分け方では、麻、雁皮、三椏、楮、竹、藁、パルプ、混合、などになります。
製法では、手漉きと機械漉きがあり、手漉きでは日本の流し漉きと中国の溜め漉きがあります。
寸法では、半紙、半切、聯落、などの呼び方があります。
産地では、美濃、黒谷、石州、伊予、甲州、これらの産地を冠する名称があります。
用途によるものでは、漢字用、仮名用など、その用途が適宜名称に付加される場合があります。
一番厄介なのは、伝統的習慣による分類名であり、画仙、玉版箋、蝋箋、など一貫しない多彩な名称があります。
さらに、紙のメーカーでは自社の銘柄に独自の名前を付けていますので、さらに多彩になるわけです。
その性格を知るには、原料の繊維は何か、機械漉きか手漉きか、中国製か日本製か、少なくともこれらを調べる必要があります。